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実家を相続したら解体すべき?費用負担・手続き・税金の注意点を流れで解説
2026/11/06
相続した実家を解体するときは、「相続人の確定と遺産分割 → 相続登記 → 解体工事 → 建物滅失登記 → 売却・活用」の順で進めるのが基本です。
▶︎関連記事:市川市の空き家解体補助金は最大50万円?対象条件・申請の流れ・注意点を地元業者が解説
注意したいのは、解体の前に済ませておくべき判断が2つあることです。1つは、相続人全員が解体に同意しているか。もう1つは、相続放棄をするかどうか。どちらも、建物を壊してしまってからでは取り返しがつきません。この記事では、相続から解体・売却までの流れと期限、費用負担の決め方、使える税の特例を、市川市で創業60余年の解体工事会社「株式会社藤信建業」が解説します。
相続した実家は解体したほうがいい?
住む予定も貸す予定もないなら、解体して更地で売るか活用するのが選択肢の中心になります。ただし、建物を残したまま売るほうが有利なケースもあります。
主な選択肢と、それぞれの向き不向きを整理します。
| 選択肢 | 向いているケース | 注意点 |
|---|---|---|
| 解体して更地で売る | 建物が古い・傷みが激しい/買い手が新築を前提にしている | 解体費用が先にかかる。更地にすると土地の固定資産税が上がる |
| 古家付きのまま売る | 解体費用を出したくない/リフォーム前提の買い手がいる | 買い手が限られ、価格交渉で解体費相当を引かれやすい |
| 解体して駐車場などで活用 | 当面売らずに土地を持ち続けたい | 舗装などの初期費用がかかる |
| そのまま保有する | 将来住む・使う予定がある | 管理を続けないと、倒壊・害虫・防犯などのリスクと行政指導の対象になりうる |
判断に迷う場合は、まず不動産会社に「古家付き」と「更地」の両方で査定を取り、解体業者には現地調査つきの見積もりを依頼してください。両方の数字がそろえば、解体する価値があるかどうかを比較できます。
当社にも、地元の不動産会社の方から「売却前に解体したい」というご相談が多く寄せられます。売却のスケジュールに合わせて工期を組むことができます。
相続から解体・売却までの流れと期限は?
相続には法律で決まった期限がいくつもあります。解体の時期は、これらの期限から逆算して決めます。
主な手続きと期限を時系列でまとめます。
| 時期 | 手続き | 期限・ポイント |
|---|---|---|
| 相続開始〜3か月 | 相続放棄をするか判断 | 相続の開始を知った時から3か月以内に家庭裁判所へ申述 |
| 〜10か月 | 遺産分割協議・相続税の申告 | 相続税の申告と納税は、死亡を知った日の翌日から10か月以内 |
| 〜3年 | 相続登記 | 取得を知った日から3年以内(2024年4月から義務化) |
| 解体工事の前 | 残置物の片付け・業者選び・届出 | 建設リサイクル法の届出は着工の7日前まで |
| 解体後1か月以内 | 建物滅失登記 | 建物がなくなった日から1か月以内 |
| 相続から3年目の年末まで | 売却(3,000万円特別控除を使う場合) | 相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで |
※相続税の申告は、遺産の総額が基礎控除額を超える場合に必要です。
とくに見落としやすいのが、3,000万円特別控除の売却期限です。たとえば2026年中に相続が始まった場合、本来の期限は2029年12月31日ですが、特例そのものの適用期限が2027年12月31日までとなっています(2026年10月時点)。現行制度のままなら、2027年末までに売却しなければ控除を使えません。「とりあえず空き家のまま様子を見る」うちに期限を過ぎてしまうケースがあるため、売却する可能性があるなら早めに方針を決めてください。
解体工事そのものの日数や着工までの準備は、『解体工事の流れと期間|契約から更地引き渡しまで何日かかる?』で詳しく解説しています。
解体の前に相続登記は済ませるべき?
解体工事の前に相続登記を済ませなければならないという法律上の決まりはありません。ただし、売却や補助金の申請では名義が問題になるため、早めに済ませておくのが安全です。
2024年4月1日から、相続登記は義務になりました。相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内に登記を申請しなければならず、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象になります。2024年4月1日より前に相続した不動産も対象で、こちらは2027年3月31日が期限です。
遺産分割がまとまらず期限に間に合わない場合は、「相続人申告登記」という簡易な手続きで義務を果たすこともできます。ただし、この申告だけでは土地を売ることはできません。
解体後の建物滅失登記は、登記名義人が亡くなっている場合、相続人のうち1人から申請できます。申請には、亡くなった方と申請する相続人の関係がわかる戸籍などと、解体業者が発行する「建物滅失証明書」が必要です。滅失登記の期限や固定資産税への影響は、上で紹介した解体工事の流れの記事でも解説しています。
兄弟で相続した実家は、1人の判断で解体できる?
できません。遺産分割が終わるまで、実家は相続人全員の共有です。建物を取り壊すには、共有者全員の同意が必要と考えてください。
民法では、相続人が複数いる場合、遺産分割が終わるまで相続財産は相続人の共有になると定めています。そして共有物に形や効用が大きく変わる「変更」を加えるには、他の共有者全員の同意が必要です(民法251条)。建物の取り壊しは、この変更にあたると考えるのが一般的です。
実際の進め方としては、次の2つのどちらかになります。
- 先に遺産分割を済ませる:実家を相続する人を1人に決め、その人が単独で解体を発注する
- 共有のまま全員の同意を得る:相続人全員で解体に合意し、同意書を書面で残す
口頭の合意だけで進めると、後から「聞いていない」と言われるおそれがあります。解体業者との契約も、誰が発注者になるのかを最初にはっきりさせておくと、見積もりや届出がスムーズです。
相続放棄を考えているなら、解体してはいけない?
解体してはいけません。相続財産である建物を取り壊すと、相続を承認したとみなされ、相続放棄ができなくなるおそれがあります。
民法921条では、相続人が相続財産の全部または一部を「処分」したときは、単純承認(すべてを受け継ぐこと)をしたものとみなすと定めています。建物の解体は、この処分にあたると判断される可能性が高い行為です。
亡くなった方に借金がある、または実家以外に財産がほとんどないといった理由で相続放棄を考えている場合は、解体や家財の大がかりな処分をする前に、弁護士や司法書士に相談してください。
一方で、相続放棄をしても責任がすべてなくなるわけではありません。2023年4月施行の改正民法では、放棄の時点で空き家を現に占有している人は、次の相続人などに引き渡すまで、その家を保存する義務を負うとされました。鍵を持っている、家財を置いているといった場合は、占有者にあたる可能性があります。「放棄すれば何もしなくてよい」とは限らない点に注意してください。
解体費用は誰が払う?
決まった負担者はありません。実家を相続する人が払うのか、相続人全員で分担するのかを、遺産分割協議の中で決めておくのが確実です。
よくあるのは、次の3つのパターンです。
- 実家を相続する人が負担する:その人が土地を売る、または活用して利益を得る場合
- 相続人全員で分担する:共有のまま更地にして売り、代金を分ける場合
- 売却代金から精算する:解体費用をいったん誰かが立て替え、売却後に精算する場合
どのパターンでも、取り決めた内容は遺産分割協議書などの書面に残してください。後から負担割合でもめるのは、相続の場面でよく起こるトラブルです。
解体費用の目安は、市川市周辺の木造30坪で総額99万〜165万円ほどです(2026年8月時点)。構造別・広さ別の費用は『【2026年版】市川市の解体工事費用相場|木造・鉄骨・RC別の坪単価と総額目安』で解説しています。
相続した実家では、家具や生活用品がそのまま残っていることがほとんどです。この残置物は、解体業者に任せると産業廃棄物として処分費がかかります。思い出の品や貴重品を仕分けたうえで、自治体の粗大ごみ回収などを併用すると、費用を抑えられます。見積もりでは、解体費用と残置物の処分費用を分けて書いてもらうと、相続人の間でも費用を説明しやすくなります。
解体して売るなら「3,000万円特別控除」は使える?
条件を満たせば、相続した実家を解体して土地を売ったときの譲渡所得から最高3,000万円を控除できます。2027年12月31日までの売却が対象です。
この特例は「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」といいます。主な要件は次のとおりです。
| 項目 | 主な要件 |
|---|---|
| 建物 | 1981年(昭和56年)5月31日以前に建築された家屋(区分所有建物は対象外) |
| 住んでいた人 | 相続開始の直前に、亡くなった方以外に住んでいた人がいないこと |
| 売却期限 | 相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで |
| 売却代金 | 1億円以下 |
| 控除額 | 最高3,000万円(2024年1月以降の売却で、相続人が3人以上の場合は1人あたり最高2,000万円) |
| 必要書類 | 市区町村長が発行する「被相続人居住用家屋等確認書」など |
※適用対象となる売却期間は2027年(令和9年)12月31日までです(2026年10月時点)。
2024年1月1日以降の売却からは、売主が解体しなくても、買主が売却の翌年2月15日までに解体すれば対象になるよう拡充されました。ただし、その場合は売買契約の中で解体の取り決めをしておく必要があります。
要件は細かく、親族への売却は対象外になるなどの条件もあります。実際に使えるかどうかは、税務署または税理士に必ず確認してください。当社は税務の判断は行いませんが、売却や引き渡しのスケジュールに合わせた解体日程の調整には対応します。
解体のタイミングで固定資産税は変わる?
変わります。固定資産税は毎年1月1日時点の状態で課税されるため、年内に解体すると翌年から土地の税額が上がります。
住宅が建っている土地には「住宅用地の特例」があり、200平方メートル以下の部分は課税標準が6分の1に軽減されています。建物を解体するとこの特例が外れるため、土地の固定資産税は上がります。売却の予定が翌年以降なら、解体の時期を年明けにずらすという考え方もあります。
一方で、空き家のまま放置するのも得策とはいえません。2023年12月の空家法改正で、管理が不十分な「管理不全空家」も、市町村の勧告を受けると住宅用地の特例が外れることになりました。税金を理由に放置していても、結果的に特例を失うおそれがあります。
市川市では、条件を満たす特定空家の解体に補助金が出る制度もあります。対象の条件は、冒頭で紹介した補助金の記事で解説しています。
実家の解体を地元業者に頼むメリットは?
相続した実家の解体では、工事そのものに加えて、相続人や不動産会社とのやりとり、近隣への配慮が欠かせません。地元の自社施工の業者なら、その調整を一貫して任せられます。
実家が市川市周辺にあり、相続人が遠方に住んでいるというケースは少なくありません。工事中に毎日立ち会えない分、近隣への挨拶や工事後の清掃まで責任を持って対応できる業者を選ぶことが大切です。
当社は1958年の創業以来、市川市を拠点に60余年、解体・土木・舗装・外構工事を自社施工で手がけてきました。千葉県知事許可(特-7)第6678号のもと、解体工事業・土木工事業・ほ装工事業など5業種の建設業許可を受けています。工事を他社に丸投げしないため、着工前の近隣挨拶から防音・防じん対策、工事後の道路清掃まで、当社の職人が責任を持って対応します。
解体後に土地を駐車場として活用したい場合も、アスファルト舗装やライン引きまで続けて施工できます。舗装の費用は『駐車場舗装の費用相場|アスファルト・コンクリート・砂利の比較と選び方』で解説しています。売るか、活用するか迷っている段階からご相談ください。
よくある質問(FAQ)
相続登記をしていなくても解体工事はできますか?
工事自体は可能です。ただし、建物の名義人が亡くなっている場合は、相続人全員の同意を得たうえで発注するのが原則です。売却や補助金の申請には名義の整理が必要になるため、相続登記は早めに済ませてください。
遺産分割の前に解体してもいいですか?
相続人全員が同意していれば可能です。同意の内容は書面に残してください。ただし、相続人の中に相続放棄を考えている人がいる場合は、解体前に専門家へ相談してください。
遠方に住んでいても解体を依頼できますか?
できます。現地調査や近隣挨拶は業者が行うため、毎日の立ち会いは必要ありません。着工前と引き渡し時に立ち会えるよう日程を調整し、工事中の連絡方法を契約前に決めておくと安心です。
家財が残ったままでも見積もりを頼めますか?
頼めます。現地調査で残置物の量を確認し、解体費用と処分費用を分けてご案内します。ご自身で片付ける範囲を決めれば、その分費用を抑えられます。
相続した実家の解体は藤信建業へご相談ください
市川市・船橋市・浦安市・松戸市・江戸川区周辺で、相続した実家や空き家の解体をお考えなら、地元で60余年の株式会社藤信建業にご相談ください。残置物の処分から解体、解体後の駐車場整備・外構工事まで、自社施工で一貫して対応します。
株式会社藤信建業
- 所在地:千葉県市川市新田3-18-9
- 電話:047-370-2552(受付 10:00〜17:00)
- 公式サイト:https://www.kk-toushin.jp/
参考・出典
- 法務省「相続登記の申請義務化に関するQ&A」 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00565.html
- 裁判所「相続の放棄の申述」 https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_06_13/index.html
- 国税庁「No.4205 相続税の申告と納税」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4205.htm
- 国税庁「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3306.htm
- 国土交通省「空き家の発生を抑制するための特例措置(空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除)」 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk2_000030.html
- 国土交通省「相続放棄者の空き家の管理について(事務連絡)」 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001711895.pdf
- 長崎地方法務局「建物滅失登記の申請に関する案内」 https://houmukyoku.moj.go.jp/nagasaki/content/001347597.pdf
- 総務省「固定資産税」 https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/149767_08.html
- e-Gov法令検索「民法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089
- 株式会社藤信建業「空家解体時の残置物処分について」 https://www.kk-toushin.jp/news/view/17


